お熊甲祭(石川県七尾市)
文化・祭礼
田の神に感謝する「あえのこと」、豊作豊漁を願う熱狂のキリコ祭り。能登の風土の中で生まれた文化・祭礼は守るべき心の遺産。
田の神に感謝する「あえのこと」、豊作豊漁を願う熱狂のキリコ祭り。能登の風土の中で生まれた文化・祭礼は守るべき心の遺産。
毎年12月5日、田から田の神様を自宅に迎えもてなし、2月9日、再び田へ送り出す「あえのこと」は、奥能登一帯の家々で続けられてきた豊穣を祈る大切な行事。農業の近代化やライフスタイルの変化にともない、失われつつある風習ですが、地域が保存会を立ち上げるなど、文化保存の意識が高まっています。2009年に「奥能登のあえのこと」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
輪島市や能登町に伝わる、正月6日や節分の晩に行われる、春を迎える行事。おどろおどろしい面をつけたアマメハギ様が、集落の各家をまわり、怠け者を戒めます。「奥能登のあえのこと」に次いで、アマメハギも2018年「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録され、再び注目を集めるようになりました。
能登一円で行われる夏・秋の祭りには、キリコと呼ばれる巨大な灯籠が集落を練り歩く。七尾市の石崎奉燈祭、能登町のあばれ祭など、激しく勇壮な祭りが多いのが特徴です。ふるさとを離れた人も祭りの日には、キリコを担ぐために帰省します。祭りに賭ける能登の人々の熱狂が伝わってきます。