世界農業遺産 能登の里山里海

揚げ浜式塩田(石川県珠洲市)

伝統技術

伝統の製法を守り、熟練の技術を磨き続けた能登の職人たち。分野を問わず、その名声は全国に知れ渡っています。

里海の伝統、揚げ浜式製塩

奥能登の塩づくりの歴史は、約2000年前まで遡り、藩政時代は加賀藩に奨励され最盛期を誇りました。「揚げ浜式」の塩づくりは、砂の上に海水を撒き、天日で蒸発させてできた「かん水」を釜で煮つめて塩をつくる製法です。厳しい自然と向き合い、熟練の技術でつくられた塩は、ミネラルを豊富に含んだ、まさに自然の結晶です。

ハレの日に、輪島塗

冠婚葬祭のハレの日には、輪島塗の食器が使われます。布で補強した木地(きじ)に幾重にも漆を塗り重ねた器は、堅牢さと用の美をあわせ持ち、家族の歴史とともに長く生き続けます。

風土が育んだ発酵の知恵・技術

夏が高温多湿な能登には、様々な発酵食品が生まれました。なかでも、イカや魚を原料に自然発酵させた魚醤「いしる(いしり)」は、まさに能登の海の恵みと風土で醸し出された伝統の調味料です。また、優れた醸造技術をもつ能登杜氏は全国的に知られており、能登の酒蔵はもちろん、近畿地方でも酒造りに従事してきました。近年では中能登町がどぶろく特区に指定されています。

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