世界農業遺産 能登の里山里海

邑池潟(石川県羽咋市)

自然・生き物

長い時間をかけて、自然と調和した人の営みがつくりあげた里山里海。

優れた里山里海システム

集落とそれを取りまく農地、林、ため池、水路などからなる里山は、人々の働きかけを通じて形成され、能登の風景を生み出してきました。また、里山でつくられた土に含まれる栄養分が川と海に流れ込み、海の豊かな資源を育みます。里山と里海は一体となって、多種多様な生き物を育んでいます。

多様な生物資源

多くの水田やため池がつくりだす能登の生態系は多様性に富んでいます。近年、生態系の破壊が危惧されるなか、地域住民が参画した生き物調査の実施、野生の生態系を人工的に復元する「ビオトープ」の造成、ホクリクサンショウウオ(羽咋市)、トミヨ(志賀町)といった希少種の保全活動がすすめられるなど、生物多様性への関心・意識が高まっています。

生命の水をもたらす宝達山のブナ林

「水源の森百選」にも選ばれた宝達山の森林は、里の暮らしに潤いを与えてきた、まさに恵みの源。通常、高山帯の自然林として見られるブナ林ですが、低山帯に自生しているのは学術的にも貴重な植生といわれています。現在は、「宝達山水源の森づくり協会」による植林などの保全活動が進められています。

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